ぼこぼこ介護

. 版画を教える

体操の仕事をなりわいとし、

いつしか目指す美術の道は趣味程度の活動の中、

たまたま誘われて始めた版画(ドライポイント)

を教えて欲しいと、協会から依頼があった。

今日31日と明日1日で、20人程度集まる予定だ。


私は町の美術家協会というのに所属している。

いつの間にか入らされていたという感じで、

所属も版画ではなく洋画なのだが、その依頼を

何も考えずノリで引き受けてしまった。


元々我が道を歩いていた私は、すでに洋画という

ジャンルからは思っきしはずれてしまっており、

協会の集まりにはほとんど顔を出しておらず、

そろそろ協会員をご遠慮したい(小声)のだが、

人員不足のせいかなかなか辞めさせてもらえない。


愚痴はさておき、ドライポイントというのは、

プラスチックとかエンビ板をひっかいて、そこに

インクを詰め、プレス機で圧を加えて線を写す。

エッチングのように銅板を腐食させなくてもよく、

手軽に出来る。今回はこれをやることになった。


この"お楽しみ講座"は美術協会員がそれぞれ、

得意分野を教えたり教わったりする。

版画の専門家ではないが、手順だけは判るので

皆で楽しむ手助けになればいいや・・・。

気楽なものだが、あいにく外は雪。人来るかな?

. おばあちゃんの記憶

実は、おかあさんは自分の両親を若くして亡くし、

祖母(私には曾祖母)に育てられた。

この話は大分前にも書いたのだが、補足を少し。


この"おばあちゃん"がなかなかツワモノで、

私が産まれる前にも何やら色々なエピソードが

あったらしく、まだおかあさんの記憶にも残っている。


認知症のせいでその記憶もあやふやになりつつあるけど、

そのなかのエピソードのひとつ、

『"おばあちゃん"は、親族(?)から「出て行け!」と、

ヒドく言われていたわねぇ・・・』 ん?、何それ。

何の事やらよく判らないが、幼い(?)おかあさんの前で

親族間の争いごとがあったのは確かなようで、

私もおとうさんも与り知らぬその騒動の中では、

殺す!、殺せ。だのの物騒なワードも登場していた??

多分これは当人最強の、相手を否定するワード。

三つ子の魂百まで。

う〜ん、そこから「刺し殺す」にいったとか・・・?

思い過ごしでしょうか?真相は過去に埋もれたまま。


ちなみにおばあちゃんは80なかばでガンで亡くなった。

ガンになる人は、認知症にはならないというが、

長く寝たきりで、あまり堂々とした最期とは言えなかった。

. 殺されませんけどね

脳血管性認知症のせいで、「アンタらを殺す」

と物騒な事を言い出したおかあさんだが、

この件を、ちょっと考えてみた。


「殺してやる」と言い出した、原因となる話の先には、

「ワタシは人形じゃない」という言葉があった。

「あんな所(デイ)に無理矢理行かされてる」とも言う。

どうやらおかあさんは、デイを監獄のように感じ、

行けば自由を奪われると誤解しているようなのだ。

なんでまた、そんな極端な印象になったのか。


おかあさんは内弁慶なところがある。

外では取り繕い、良い顔を見せて凌いで来たのだろう。

それはおかあさんにとって、

世間にバカにされない為の防衛だったのかもしれない。

いずれにせよ、昔の世間体を気にする幾分窮屈な思いが

脳内にとり残され、それが今デイに向かっている。

一方、ウチでは何も取り繕わずともよく、生家だし

養子のおとうさんに対しても「出て行け」などと

堂々と好き勝手が言えるから楽な訳ですね。


怖いもの知らずの認知症者青蚊さんには誰も勝てぬ。


「デイでも自由にしていいんだよ」と、いくら言っても

「横にもなれん。なんも自由でない」等と文句を言う。

今後どのように説得したらいいんだろう。

試行錯誤は続くのです。

. お前達を刺し殺す

イスラム国の人質の安否が気づかわれる中、

ウチでも認知症の青蚊さん勢力が、長期化している。

デイAに行く日の火曜日朝、朝食後に片付けしながら

迎えがある事を告げ、着替えを適当に並べる。

いやだわ〜。あそこは横にもなれんもん。と、

いつものように抵抗するので、こちらも当たり障り

なく対応したつもりで、私も体操の準備をしていた。

今回は、段々態度が硬化。何度も階段を上がって来て、

「行きたくない」から「絶対行かん」と吠えだした。

私は時間が来て、そのまま仕事に出た。


帰ると、おとうさんが車庫に居て「今日は行かなんだ」

と言う。ああ仕方がないな。居間に入ると落ち着いて

いるようなので、とりあえず薬を飲ませる。

昼ご飯のうどんすきは、2人前が急に3人前になり、

汁が少なくて煮詰まってしまった。弱り目に祟り目だ。

それを食べながら、青蚊さんは、「私に黙って(デイに)

勝手に申し込んだね。アンタらを順番に刺し殺すから

覚悟しなさい」と吠え続けた。「二人とも出て行かれ」

と言うので、片付けもそこそこに二階に上がる。


まぁ、大して迫力もないし、包丁を持ち出すだけの

気合いはない。こちらもただただあほらしいだけ。

薬は効いているのかいないのか。他に頼るものはない。

. ある友人の話

感情が不安定な認知症のおかあさんと話す時に、

私が参考にしている過去の経験がある。

もう20年以上前の、友人との関係が今とよく似ている。

その女性は私より6歳程も若かったのだが、

一人暮らしの部屋で亡くなっているのを発見されたのが、

早、今年で8年前の事になってしまった。(七回忌忘れてた)


寂しく哀しい人で、いつも男性が側に居てくれるのを求める

あまり、男性にしがみついて束縛してしまい、結果振られる。

「飄々と生きたい」と言いながら、男が現れるといつだって

火だるまの馬車馬のようになってしまっていた。


その相談の電話が昼と言わず夜中と言わず未明までにも

鳴り響き、ホトホト参ったことをよく覚えている。

当時は私も人付き合いの面で今程余裕がなかったので、

無視したり、いらぬお節介を焼いたりと、対応面が至らず、

喧嘩することさえうまくできなかった。


その時の自身の対応や考えた事は、今とても役立っている。

おかあさんが青蚊さんになった時、

言い分を聞いて、話の本筋を見極め、

出来ないことはぼかして伝えたりと、

少しは賢く対応できるように、なっていると思う。


どんな最悪な経験も、その後活きてくるものだ。

彼女を思い返す度そう思う。


. プロフィール

ケランパ

Author:ケランパ
脳出血の経験がある母は、H24年アルツと診断される。
H28年父が心不全で入院。私は還暦を過ぎて、
高齢者に健康体操を指導しつつ、両親の介護中。

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