ぼこぼこ介護

. 介護と料理

「アンタ、料理が好きでよかったわ」

認知症のおかあさんから、時々そう言われた。

私は食いしん坊なので、料理は苦にならない。


だけど、私一人になったら、

自分だけの為に毎日料理を作るかと言うと、

あまり自信が無いのである。

ごく若い頃から一人暮らしをしていたが、

その時は、自分では一切料理をしなかった。

ろくなものを食べていなかったので、

栄養が偏ったあげく、太った。


実家にUターン帰省をしてから、おかあさんと

二人、台所に立つことが多くなったが、

だんだん、おかあさんは下ごしらえだけで

台所から姿を消すようになり、さらに、徐々に

認知症の症状が出て、コンロに鍋をかけたまま

外に行ってしまったりするので、全面的に私が

炊事を引き受けるようになり、今に至る。


人の為の炊事なら、簡単なのに、一人だと

てきめんに面倒くさくなるのはなんでだろう。

. 言葉のキャッチボール

認知症になりやすい性格というのは

あるのだろうか?時々そんなことを思う。


今や認知症のおかあさんの癖で、昔から

気になったのは、こちらの言うことを

ほとんど聞いていない。と、いうところ。

「言葉のキャッチボールが出来ない人ね」

そう、面と向かって言ったことは多々ある。

こちらが投げかけた話題にそった

答えや、意見が欲しかった時でも、いつも

おかあさんには無視されたような感じで、

当時の私は、ムッとさせられたものだ。

でも当人に自覚はない。

もしかしたら、私の振る話題には、

関心がなかったのかな。


気づくと今は、私の方がオウムのように、

何度も同じコトを繰り返し言って聞かせる。

おかあさんからは、ちゃんと

「はい」とか「ありがとう」と返ってくる。

. "認知症"覚え書き

このことは前にも何度か書いたが、

おかあさんの認知症前の性格は、

私にとって、きついものだった。

おかあさんは、こうあれという形に

私をあてはめたかったようで、

色々としつこく干渉してきたものだ。

それなので私としては、付かず離れず

の心理的距離をおくようになっていた。


おかあさんに認知症が疑われだした頃、

専門書で学び、あえておかあさんには、

感謝の言葉だけを口にするようにした。

これも心理的距離が習慣化していたから

出来た。かなりあざとい私であった。

そのせいで、おかあさんの口撃が、

私ではなく、全面的におとうさんに

向かう結果になってしまったのだろう。


認知症が進んだおかあさんは、今や

私にもおとうさんにも「ありがとう」と

感謝の言葉をくれるようになっている。

認知症というのは、不思議な病気だ。

. 介護の現実がチャンスを奪う?

両親の介護をしていてふと気づくと、

新しいことにチャレンジする機会を

目の当たりにして興味を持っても、

参加した場合のリスクも同時に

考えてしまい、二の足を踏み、

迷うことが多々ある。


老年になって、

「何か新しいことをやってみよう」

という意欲はとても大切だと、

巷でささやかれている。が、私の場合、

意欲はまだあるのだが、同時に

実行したときの問題を想像してしまい、

あまり無鉄砲になれなくなっている。


両親の食事はどうする?、夜遅くなると、

おかあさんが外に探しに出ないか等等。


結果、若い頃のように、興味が沸くまま

次々飛びつくという事もなくなり、新たな

チャンスも十分活かせられていないかもな

と、少し寂しく感じる今日この頃である。

. 介護を夢にまで見る

おかあさんが、「私、夜中テンパッてしょうがない、
だから、睡眠薬をちょうだい」

そう言った記憶があるが、よく考えると夢だった。

おかあさんの世代で"テンパる"などと言う筈ない。


最近、介護のことがよく夢に出て来るが、

その夢のなかでは、おとうさんはもとより、認知症

のおかあさんも比較的元気で、話すこともまともだ。

でも私は、夢の中でも、おかあさんが認知症だと

理解しているのだ。

そして、ウチ中ぐちゃぐちゃなのは現実と同じ。


そういう夢を見る度、いまや、介護が普通になって、

自分の中ではもう特別なことだとは

思っていないのかもな。と、改めて感じる。
. プロフィール

ケランパ

Author:ケランパ
脳出血の経験がある母は、H24年アルツと診断される。
H28年父が心不全で入院。私は還暦を過ぎて、
高齢者に健康体操を指導しつつ、両親の介護中。

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